アドバイザー役を見つけよ
　
　アフリカ現地の村などで長期滞在するならば、村人の中から良いアドバイザー役を見つける事は絶対に必要です。どんなにガイドブックや研究書を事前に読んでいても、現地で起こっている生きた現実は簡単には分かりません。時には逆に、そういった本で得た知識が、現実を素直に見ることを邪魔することさえもあるのです。はじめて目の当たりにする現実は、まず素直によく見ることからはじめなくてはなりません。そして、簡単に価値判断をすることは控えましょう。
　もちろん現地で生き抜くために絶対必要とまではいいませんが、出来ればそうあって欲しいと思うのは、「鋭い観察眼」を持つjことです。よくよく気をつけてみると、目の前で起こっていることのすべてを認識していない自分に気がつきます。細かいことや大したことのないことまで、きょろきょろといろいろ観察しておくのは必要です。すると分からないことがいくつも見えてきますから、さあ、それを誰かに尋ねなくてはなりません。そのためにもいろいろな習慣やしきたりを教えてくれるアドバイザー役は、不可欠です。身の回りで起こっていることには、本当によく目を配りましょう。そして細かくメモするなり、憶えておくなり。これが現地にとけ込む鍵ですから。
　日本の常識は捨てましょう。自分を毎日ふり返り、もし「日本だったらこうするのに」とブツブツ言う自分に気がついたら、要注意です。なぜそういうことが現地で起こっているのか、なぜそういう風に行われるのか、なぜそんなことを言うのか、日本の常識と経験で考えても分かるわけがありません。ここはひとつ、知っている人に聞くしかないのです。
　
　アドバイザー役には、そりゃ、都市から一緒に来たインテリの人も良いかも知れないですが、概して都会のインテリは自分の国の村の生活を悲観的に見るものです。。結構街で教育を受けた人の中には、何かというと「私たちの国は未開ですから」などと否定的なコメントばかりして、肝心なことを教えてくれない人も見られます。悪気はありません。でもやはり現実の意味を教えてくれる人がいて欲しいですよね。

　そして、とても大切なことですが、村に住むならば、「何でも村の人たちと同じようにしよう」などと、最初から力まないことです。張り切りすぎると、すぐに病気になります！結局自分は「外人（アウトサイダー）に過ぎないんだ」という自覚はとても大切です。「のんびり、のんびり」は、アフリカの鉄則ですよ！言葉が出来なくて周りから馬鹿にされるのを恐れたら終わりですよ。自分で自分の失敗を笑い飛ばすくらいの気持ちが必要です。プライドは捨てましょう。